ガイド・イタリア特許
イタリア特許商標庁(UIBM)に出願する特許または実用新案の図面は、黒い線で A4 用紙(29.7 × 21 cm)に描き、4辺すべてに 2.5 cm 以上の余白を設けます。シートには連番を付け、図は明細書で参照します(D.M. 33/2010 第22条)。オンライン出願では、2023年1月1日からファイル形式は PDF/A です。
覚えておくべき違い。EPO と PCT は図面シートの右余白 1.5 cm、下余白 1 cm を認めていますが、D.M. 33/2010 第22条は全辺 2.5 cm を求めています。EPO 向けにレイアウトしたシートはイタリアの規則を文字どおりには満たしませんが、UIBM 向けにレイアウトしたシートは EPO と PCT の最小余白も満たします。
2026年10月更新・イタリアに出願する弁理士と図面作成担当者向け
イタリア国外の出願人や弁理士で、通常はイタリアの代理人を通じて UIBM にイタリアの特許出願または実用新案出願を行う方を対象としています。例えば、後に EPO や PCT で優先権を主張する第一国出願がこれに当たります。国外に居住する出願人は、イタリア国内に送達先住所を選定しなければなりません(D.M. 33/2010 第21条(1))。欧州特許をイタリアで有効化する場合、特許された明細書等のイタリア語翻訳文はイタリア産業財産法典第56条に基づいて提出します。その図面に適用される方式要件は、イタリアの代理人にご確認ください。
以下のイタリアの規則は、イタリア語でのみ公開されているイタリアの情報源から引用しています。本ガイドのイタリア語版は inklaim.it にあります。
2010年1月13日付省令(D.M.)第33号(イタリア語)は、イタリア産業財産法典の施行規則です。その第22条は、特許出願と実用新案出願の明細書、要約、特許請求の範囲、図面の様式を定めています。2025年に UIBM が受理した出願は、発明特許 11,996 件、実用新案 2,073 件でした(MIMIT、2026年3月2日(イタリア語))。
第1項は「linee e caratteri a stampa neri su carta bianca forte di formato A4」(丈夫な白色 A4 用紙に黒色で印刷された線と文字)を求め、図面とテキストの両方について4辺すべてに 2.5 cm 以上の余白を定めています。オンライン出願にも同じ形式が適用されます。使用可能領域は 16 × 24.7 cm となり、すべての符号、ラベル、引出線をこの中に収めなければなりません。
第2項の 0.21 cm の大文字はテキストに適用されるもので、図面には適用されません。図面について規則は最小値を定めていません。実務では EPO と PCT の最小値である 0.32 cm が使われていますが、これは推奨される実務であり、規則ではありません。
第3項により、図面(手描きでもよい)には連番を付け、図の番号と部品の番号を明細書で参照しなければなりません。商工会議所のガイダンスでは、図が1枚のシートに収まる場合でも図に番号を付けるよう求めています。第4項は、仮の図面を最終的な図面に差し替えるための期間として2か月を定めています。
第21条(4) は、明確にするためにのみ請求項で図を参照することを認めており、符号は請求項の範囲を限定しません。商工会議所の実務では、図面シートには色や文言を入れず、理解に必要な表示と、使用する場合は縮尺のみを記載します(ジェノヴァ商工会議所、2021年(二次資料、イタリア語))。
D.M. 119/2021 は第21条と第25条を改正しましたが、第22条は改正していません。重要な出願の前には、Normattiva の統合版(イタリア語)も確認してください。
比較
用紙のサイズと線は同じです。余白、カラー、文字の高さ、番号付けが異なります。
| 要件 | UIBM(D.M. 33/2010) | EPO(EPO官報 2025, A49) | PCT(規則11) |
|---|---|---|---|
| 最小余白 上/左/右/下 | 全辺 2.5 cm | 2.5/2.5/1.5/1 cm | 2.5/2.5/1.5/1 cm |
| 最大使用可能領域 | 16 × 24.7 cm(計算値) | 17 × 26.2 cm | 17 × 26.2 cm |
| カラー | 不可(黒い線) | 2025年10月1日から電子出願に限り可 | 不可(白黒で公開) |
| 文字の高さ | 図面については規定なし | 0.32 cm 以上 | 0.32 cm 以上 |
| シート番号 | 連番 | アラビア数字、上部中央 | 「1/3、2/3、3/3」 |
| 図 | 連番、明細書で参照 | 「FIG」とアラビア数字。図が1つの場合は番号なし | アラビア数字、シートとは独立 |
| 図面内の文字 | 必要な表示と縮尺のみ(実務) | 不可欠なキーワードのみ | 不可欠な場合は少数の語 |
出典:EPO官報 2025, A49 および A57(カラー)、審査ガイドライン A-IX, 5.2(図の番号付け)、PCT規則11 および実施細則第207節(いずれも英語)。EPO の詳細はEPO の特許図面要件ガイドをご覧ください。
全辺 2.5 cm であれば、各余白は EPO と PCT の最小値以上になります。イタリア出願を欧州出願や PCT 出願の優先権の基礎とする場合、最初から UIBM 向けにレイアウトしておけば、シートを再利用でき、PCT における「1/3」のシート番号など、各庁固有の規則だけを調整すれば済みます。
EPO の使用可能領域の端まで描いた図面は、縮小するかレイアウトし直す必要があります。EPO が受け付けたカラー図面は、白黒に変換しなければなりません。
オンライン出願
2022年11月21日付 UIBM 通達第621号(イタリア語)により、2023年1月1日以降、UIBM のオンラインポータルを通じて提出する国内特許出願と実用新案出願の PDF ファイルは、追加提出や商工会議所がアップロードする紙出願を含め、PDF/A(ISO 19005)でなければなりません。
チェックリスト
出願を国外に展開する場合は、移行先の特許庁のチェックも追加してください。
Inklaim の役割
Inklaim は、3D モデル、DXF または PDF ファイル、スケッチ、特許請求の範囲から図面シートの下書きを作成します。UIBM プロファイルでは、全辺 2.5 cm の余白で A4 シートを設定します。
これはチェック済みの下書きであり、受理を保証するものではありません。PDF/A への変換、電子署名、最終確認は事務所が行います。特許庁プロファイルは EPO、UIBM、PCT、USPTO の4つで、日本国特許庁(JPO)のプロファイルはありません。


よくある質問
A4 用紙の4辺すべてに 2.5 cm 以上です(D.M. 33/2010 第22条(1))。使用可能領域は 16 × 24.7 cm となります。
EPO の余白は第22条を文字どおりには満たしません。UIBM がどの程度厳しく指摘するかは、イタリアの代理人にご確認ください。安全なのは全辺 2.5 cm にすることで、これは EPO と PCT でも使えます。
いいえ。第22条は黒い線を求めており、商工会議所のガイダンスもカラーを除外しています。2025年10月1日からの EPO によるカラー図面の受け付けは、UIBM には適用されません。
UIBM 通達第621号により、2023年1月1日から PDF/A(ISO 19005)です。電子署名は変換後に行います。
D.M. 33/2010 は図面について最小値を定めていません。実務では、EPO や PCT と同じく 0.32 cm が使われています。
はい。第22条は発明特許と実用新案に適用されます。意匠については、第25条が同じ要件を参照しています。
はい。ただし、国外に居住する出願人はイタリア国内に送達先住所を選定しなければなりません(D.M. 33/2010 第21条(1)、イタリア産業財産法典第197条を参照)。そのため、外国の出願人は通常、イタリアの代理人を通じて出願します。
出典
その他のガイド