整合性チェック
Inklaim の整合性チェックは、案件のすべての図を明細書・特許請求の範囲とあわせて読み取ります。異なる部品に使われた同じ符号、2つの符号が付いた同じ部品、本文だけ・図面だけにある符号、引用されているのに存在しない FIG.、縮尺の異なる図を指摘します。
Inklaim は、イタリア・トリノ発のスタートアップが開発したウェブソフトウェアです。3D CAD モデル(STEP/IGES)、DXF またはベクター PDF ファイル、物品の写真、スケッチ、特許請求の範囲から、EPO・UIBM・USPTO・PCT・CNIPA・KIPO の規則に照らしてチェックした特許図面の下書きを作成します。

規則
特許出願では、各符号は常に同じ部品を指し、図面と本文の両方に記載されていなければなりません。これは、2025年7月7日付 EPO 長官決定(EPO官報 2025, A49)と審査ガイドライン A-IX, 7.5.4、PCT規則11.13、そしてイタリア特許については省令 D.M. 33/2010 第22条が求めていることです。
Inklaim は、修正の手間がまだ小さい出願前の段階で、案件全体にわたってこれらの対応関係をチェックします。
| 特許庁 | 規則 | 参照符号についての要件 |
|---|---|---|
| EPO | 2025年7月7日付決定(EPO官報 2025, A49)第1条(2)(d)・(i)、審査ガイドライン A-IX, 7.5.4(英語) | 括弧や丸囲みのない簡潔な参照符号。明細書と特許請求の範囲にない符号は図面に記載できず、その逆も同様です。出願全体を通じて、同じ要素には同じ符号を使います。 |
| PCT | PCT規則11.13(英語) | 明細書と一致した符号。同じ要素には同じ符号を使います。符号が多い場合は、一覧を記載した別紙が推奨されます。 |
| UIBM | D.M. 33/2010 第22条(3)(イタリア語) | シートには通し番号を付け、図の番号と部品の番号または文字は明細書で言及されていなければなりません。 |
図を削除した場合、EPO の審査ガイドラインは、その図にのみ関係する参照符号を本文から削除するよう求めています。明細書に残った符号が指摘を受ける典型的なケースの1つです。
2026年10月更新
チェック内容
チェックは案件の「Checks」タブから開始し、修正のたびに「Check again」(再チェック)で繰り返します。出願書類のすべての図と本文を相互に比較します。
異なる部品に使われている符号や、図によって2つの異なる符号が付いている部品を見つけます。
本文だけ、または図だけにある符号、符号のない見える部品、案件の符号一覧にない符号を指摘します。
引用されている「FIG. n」がすべて存在し、すべての図が引用され、本文での最初の引用順に図が並んでいるかを確認します。
同じ対象物の図の寸法を、許容差 3% で比較します。10% 細い図は指摘されます。
各図について、使用可能領域、文字の最小の高さ、線の太さ、ラベル、シート番号、不可欠でない文字を確認します。
任意の機能です。事務所が AI をオンにしている場合、図どうしを視覚的に比較して追加の警告を提案し、ユーザーが確定します。
レポート
各警告は、何が一致しないのか、どこで、何をすべきかを示します。「Open」(開く)ボタンを押すと、修正すべき要素が選択された状態で図が開きます。
| 重要度 | 警告 | サンプル案件での例 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 警告 | 異なる部品に同じ符号 | 符号 12「lever」(レバー)が、FIG. 1 と FIG. 2 で別の部品を指しています。 | FIG. 1 または FIG. 2 を開いて修正します。符号がバルブ全体など組立品全体を指している場合は、警告を無視します。 |
| 警告 | 同じ部品に異なる符号 | モデルの同じ部品に、FIG. 1 では 10「body」(本体)、FIG. 2 では 12「lever」(レバー)が付いています。 | 符号を1つに決め、すべての図で使います。 |
| エラー | 引用された図が存在しない | 明細書が FIG. 5 を引用していますが、案件に FIG. 5 はありません。 | 本文の参照を修正するか、図を追加します。 |
| 警告 | 図が引用順に並んでいない | 明細書で FIG. 2 が FIG. 1 より先に引用されています。 | 「Reorder figures」(図の並べ替え)で順番を整え、本文の参照も更新します。 |
レポートの上部には、エラー、警告、情報の件数が表示されます。警告は「符号と部品」「図の参照」「図の寸法」にグループ分けされます。
図ごとの方式チェック
案件の整合性とは別に、各図には「Compliance」(方式)パネルがあります。EPO、UIBM、USPTO、PCT のプロファイルを選ぶと、Inklaim がその特許庁の方式要件をチェックし、問題をシート上で直接強調表示します。
これは予備的なチェックで、特許庁による受理を保証するものではありません。日本国特許庁(JPO)のプロファイルは組み込まれていません。詳しい規則は欧州特許(EPO)の図面要件ガイドをご覧ください。

変更前と変更後
3D モデルから作成したシートでは、出願書類の本文や、本文と図で共有する案件の符号一覧にすでにある符号を使います。すべての符号を順に振り直すには、自動採番を使います。
関連情報
よくある質問
はい。本文だけ、または図だけにある符号、符号のない見える部品、案件の符号一覧にない符号を指摘します。
同じ対象物の図の寸法を、許容差 3% で比較します。ハウジングあり・なしなど、異なる部品の組み合わせを示す図は「not compared」(比較対象外)として表示します。
いいえ。符号、図の参照、寸法は AI なしでチェックします。図どうしの AI による目視チェックは任意で、事務所が AI をオンにしている場合にのみ動作し、ユーザーが確定する警告を提案します。
いいえ。Inklaim は、EPO、UIBM、USPTO、PCT の既知の方式要件に照らしてチェックした下書きを準備します。最終確認と出願は事務所が行います。
符号・図・本文の整合性チェックは、どの特許庁向けの案件にも適用できます。各図の方式要件は、選択したプロファイル(EPO、UIBM、USPTO、PCT)に照らしてチェックします。JPO のプロファイルは組み込まれていません。
「Open」ボタンを押すと、要素が選択された状態で図が開きます。修正後に「Check again」を押すと、レポートが更新されます。すべての符号を振り直すには「Renumber all」(すべて振り直す)を使います。